紬 【つむぎ】真綿を手ツムギした糸をたて糸、よこ糸に使用して手機で絣、縞、白などに織り上げた先練、先染めの平織りのもの。 |
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絣 【かすり】たて糸とよこ糸を部分的に防染して平組織に織り上げて何らかの紋様をあらわしたものを絣という。朱子組織のものもある。 |
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ビロード 【びろーど】西陣のビロードは特有の羽毛や輪奈をつくるため横に針金を織り込み、後で針金の通った部分の経糸を切って起毛したり、引き抜いて輪奈を作る有線ビロードです。本天(ほんてん)と呼ばれるものは緯糸を3回普通に織って、次にパイル経を地組織から上げそこに針金を一本入れる織り方。約3センチ間に直径1ミリ長さ50センチの針金を50本も織り込むというもの。 |
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経錦 【たてにしき】経錦は文字通り経糸によって、地の文様も織り出されている錦です。つまり3色の配色によるものであれば3色3本の経糸を1組として、これが互に表裏浮沈交替して地や文様を織り出しているわけです。したがって、色数が多くなれば、それだけ経糸の本数も増すことになり、開口の操作も容易でなくなりますから、自然配色にも限りがあり、また大きな紋様も織り難いという結果にもなります。それ故、経錦は普通二重経のものがほとんどですが、中には四重経、六重経というような驚くべきものもあります。また配色に変化をつけるために、地を何色かの縞にしている場合もあります。 |
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風通 【ふうつう】普通の織物の断面は一重ですが風通織をはじめとする二重織物や三重織物の場合は、その断面はそれぞれ二重、三重になっていて多層織物と呼ばれています。風通織はこの多層織物の代表とされているもので、二重、三重織で、上下あるいは、上中下のそれぞれ色の異なった織り方を交互に表面に出して模様を表します。二重織のものを二色風通といって表裏反対色の紋様を表すことができ、西陣の着尺や、袋なごや帯などに使われています。 |
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紹巴 【しょうは】経緯ともに強撚糸を用い、細かい横の杉綾状又は山形状の地紋をもっています。地は厚くなく以前はよく羽織裏などに使用されたとあります。 |
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緞子 【どんす】織物の三原組織のうちに繻子織があります。繻子織は経糸と緯糸との組織点をなるべく少くして、しかもその組織点を連続しないように分散させ、織物の表面に経糸、あるいは緯糸を浮かせた織物です。経糸と緯糸が各五本ずつのものつまり五枚繻子の表裏の組織をそれぞれ地あるいは紋に用いたものが(緞子)といわれるものとされています。 |
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朱珍 【しゅちん】繻子は通常5枚または8枚繻子組織のものが多いのですが、昔の書物によると繻子は八糸緞、朱珍には七糸緞あるいは七彩という字を当てています。また、繻子の地合に何種かの絵緯で、紋様を織り出したもので、中国では七の字に変わるという意味があります。同じ繻子織のなかの(緞子)と異なる点は<地上げ紋>がないということです。 |
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捩り織り 【もじりおり】織物の経糸は互いに平行し、緯糸はこれと直角に交差して布を形成するのが普通ですが、綟り織物は綟り経糸が緯糸1本または数本ごとに地経糸の左右にその位置を変えて組織し、緯糸と緯糸との間に隙間を作ります。製織の際には、地ヘルドのほかに、綟りヘルド(ふるへ)といわれる特殊なヘルドが必要です。搦み織ともいわれ、紗・羅・絽などがあります。 |
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本しぼ織り 【ほんしぼおり】経緯ともに練染した絹糸を用い、経糸は甘撚り緯糸は御召緯といって練糸を適当な太さに引揃え、下撚りをかけ糊を施し、これがまだ乾かないうちに強撚りをかけたもの。右撚り・左撚りを二越ずつ交互に織り込み、製織後、ぬるま湯に浸して強くもみ、布面にしぼを出します。 |